人間失脚

恥の多い生涯を送っています

【展覧会レビュー】三菱一号館美術館『岐阜県美術館所蔵 「ルドンとその周辺 ― 夢見る世紀末」展 三菱一号館美術館グラン・ブーケ収蔵記念』

3月3日に行きました、三菱一号館のルドン展についての覚書です。

会期終了日前日とはいえ、30分待ちという盛況ぶりにびっくり。

ロートレックゴヤも会期ギリギリに来たけど並ばなかったで……

展示作品のほとんどが岐阜県美術館の所蔵品ってことで、まぁ借りやすいからか、前にもみたことある絵が多かったかなー

図録だと色が再現できないカラー作品が多くて嬉しかったよ!

今回いいなぁと思ったのは『日の光』って絵。

首を吊って死んだ植物学者に捧げた版画集で、この絵がその版画集の中でいちばん最後の作品なのかな?

暗い部屋の中で、窓の外は明るくて、1本の木が生えてる。

部屋の中には細胞か微生物みたいなのが漂ってるっていう

ルドンの生物学的興味のきっかけとなった人物に贈るにふさわしい、静かだけどルドンらしい版画でした!

目玉だったグラン・ブーケはな~…すごい暗い部屋に暖色系のライトで展示してあって、ルドンが意図した見え方はこの色で正解なのかな?って思っちゃったな。

パリかどこかで室内装飾として飾ってあったのを再現した写真はよかった。暖色系の他の絵の中で青がはえるね!

ルドンはもやもやした感じとなんとなくピンクがかった明るい色遣いがすきです!

最後のほうは周辺作家の作品の展示が多かったんですが、ラストを『眼をとじて』で閉めてくれたのはよかったです!

この瞑想しているような女性の頭部というモチーフをルドンは多用しているようですが、どれもほんとに静かで穏やかな顔をしていて大好きです。

あと個人的に目についた点、ポール・セリュジエが亡くなったルドンにあてた『消えゆく仏陀』に2匹のサラマンダー!がいたんですが、"flower"のPVに出てきた黒に黄色のラインのヤモリ?にそっくりだったの!