人間失脚

恥の多い生涯を送っています

Over The L'Arc~en~Cielについての感想文を超えたの

とても久しぶりの記事になってしまいました……

 

就職以来そもそも文章を書こうという気があまり起きず、半年以上も放置してしまいました。

半年以上も就職して死んだ人みたいになっていました。

 

 

ところで『Over The L'Arc~en~Ciel』、もちろん観てきたのですが、予想の何倍も何十倍も内容について考えてしまって、これはちゃんと文章にしたためておかなきゃなぁと思ったので書きました。

 

自分用まとめだから文章推敲してないし長いしキモいよ!

 

 

 

 

映画導入部分の印象としては、この映画には全体の何か大きなテーマがあって、そのテーマというか、何か設定されたゴールに向かって作られてるドキュメンタリー映画なのかなと思った。

 

冒頭のリーダーの不穏なコメント、hydeの思わせぶりな言葉、目的なしに映像を録ることに対する不信感を露わにしたリーダーの態度とか、ひとつのストーリーがある映画の導入みたいだったし。

 

けんちゃんとゆっきーのドキュメンタリーという言葉に対する印象とか、「ラルクって何?」という疑問だけを投げかけて、すぐに答えを言わないような感じも、この映画はそういう部分に焦点を当てたいのかなぁと思って、そういう心構えで見始めた。

 

けど蓋を開けてみたらそんなことはなく、意外と普通に、真面目に、(ストーリー性を求めて見たのなら)散漫に、時系列順に出来事を追ったドキュメンタリーだったなぁというのが初見の印象。

(2回目以降は、全体の流れに対して「こうかな?」という自分なりの印象を持ったけど。)

 

だから映画の予告で覚悟していたような怖さ、「見たくなかった」っていう部分はなく、思ったより心穏やかに見れたなあ。

 

 

内容について触れていきます。

横アリFC限定ライブの舞台裏での顔合わせで、社長が「メンバーのテンションも高い」って説明してたのが意外だった。

 

もちろんそういう意味の「テンションが高い」っていうのじゃないと思うけど、どんな大きなツアーでも平然と、というか、いつもとおんなじようにやってのけそうな印象があったから。

 

ワールドツアー前の記者会見の控室で、自分に言い聞かせるように「ワールドツアーやぞ、ワールドツアーやぞ」と唱えるけんちゃんとか、落ち着かない感じで指を動かしてるゆっきーもとても新鮮だった。

あぁいうソワソワ感を出してるラルクってもう随分見てなかった気がする。

 

 

導入部の個人的見どころは何と言っても、けんちゃんの「言葉に内容を持たせることにすごく抵抗がある」発言だな……

 

リチャードの「メンバーは皆静かだ、kenがいちばん明るいかな」という言葉に対してのそれってもうさぁ…もうさぁ……

(リチャードの証言のところで流れてる映像のけんちゃんめっちゃ可愛かったねぇ)

 

初見時、泣いていいんだか笑っていいんだかで、なんかよくわかんないけど唇がぶるぶる震えた。何だったんだあれは……

 

なんか今までも色んなインタビューとかから、けんちゃんのそういう人っぽさ?って感じ取ってたけど、そういう事を本人に言われると、なんかさ~~~~もうさ~~~~~~ホントすごい人だな~~~~~~~~ってなるな!

 

けんちゃんは本当に頭がいい人、というかよく考える人なんだろうなぁ。って思いました。

言葉にならない。

 

そう言われてしまったら、その後映画で一人だけ極端にインタビューが少なくても仕方ないねってなるなる。

 

あとさ~~~~~「話すことに抵抗があるから、だから音楽で話す」っていうけど、けんちゃん作詞作曲の曲ってほんとさ~~~~~~~ツライじゃん!

 

もうすげぇなこの人!この部分と韓国公演の部分から見える片鱗?で見るけんちゃんってなんか…すごいよ!よくもそういう部分を見せてくれたなって思いました!

 

 

あとはゆっきーの個人インタビュー。

 

ゆっきーはこの映画の中で他の3人に比べて随分淡白な扱いだったように思う。

 

やっぱりそこはどうしても、ラルクが売れ始めてからの加入っていう点と、それ以前のバンドで「他のメンバーが経験していないような経験」をしてるからっていう部分に焦点が当たってしまっていたし、そういう部分があるからこそ、ゆっきーは他のメンバーが持ち得ない視点、一歩引いた客観的視点というか、穏やかで冷静な発言が出来るんだろうなぁとは思うけど、う~~ん未だその枠があるんだな~~ってちょっと思った。

 

でもこの映画のゆっきーってほんと良い顔してるとこばっかり写ってるんだよなーリハ中にしろライブ本番にしろ。すごい穏やかに笑ってる

日産のブチギレサブステ破壊とはなんだったのか

 

 

それから、この映画の、MSGまでのアジアツアー前半の映し方は一貫して、海外に出て行くことの「上手くいかなさ」、違和感をすごく印象付けるような編集になってたなぁと思う。

「上手くいかなさ」、具体的には、ライブの内容自体よりもむしろ、インタビューの(日本的に考えると)不躾な質問とか、海外のファンの(言い方は悪いけど)無遠慮な行動、ファン以外の人々の白けた態度とか。

 

日本ではもちろん知らない人はいないくらいのバンドだけど、日本のバンドが海外に出て行くってこういうことなんだ…っていうのをより突き付けるような。

あの冷ややかな空気が、わたしが見てていちばん居心地悪かったところかな。ほんとに。

 

 

香港

まずライブシーンの音がライブそのものですごくびっくりした!あれは絶対に劇場で見なきゃ損するレベル

 

全編通してライブシーンが思ったより多くて嬉しかったなぁ。1曲目が《CHASE》だったのもまた映える。

 

ツアー1発目ということもあり力が入り気味なhydeの動き、そこから場面転じて、犬みたいな顔してバスに乗って香港観光するはいどちゃんのギャップが最高にかわいい

 

香港観光ほんとに可愛かったなぁ~~あんな凛々しい顔してライブしてる人がふにゃふにゃの顔でおみやげ物色してるの。

 

周知の事実だけど、この世のものとも思えないほど美しいhydeも犬みたいなはいどちゃんも同じはいどちゃんでどちらも最高にかわいいのほんとにすごい

 

バスの上でhydeとけんちゃんが立って爆笑しながらなんか言ってたのなんなんだよ~~~~~あそこの音声聴くまで死ねないよ~~~~~~~~死んだら香港で地縛霊になる~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!

「謝謝?」もソーキュート。

 

 

それから台湾での、hydeさんの演出に対するアツいこだわり語り。

羽ふらしのプロのくだりとか色弱じゃなくなるメガネのくだりでも感じたけど、hydeはもともと視覚的なことがやりたくて、今でもその点にすごく思い入れがあるんだなっていうのが、この映画の節々で語られてたなぁ。

 

「昔は派手なら良かったけど、今はセンスが求められる」っていうのすごいよくわかる。

 

テクノロジーがある程度成熟しちゃったというか、ラルクほどの規模じゃないミュージシャンでも、新しいすごい演出効果をバンバン使ってるからなぁ。

 

ラルクの演出もかなりかっこよくなったと思う、やっぱり未だ大味だなぁと思うところはあるけど。

 

シンフォニーが流れる中の花火・特効ダイジェストはめっちゃ笑った、7万人の宗教大会だこれ!?

でもほんと宗教だよ……

 

あとは熱く「きょう完璧だと感じたことでも、2回目やるとまた課題が生まれる、完璧なんてないんじゃないか?」って語るシーン、「うんうんほんとにそうだなぁ」って思いながら、ナチュラルヘアのはいどちゃんめっちゃかわいいって思ってた。

 

 

MSG公演の場面では、そこまでの編集でそれとなく感じられた「海外でやることの上手く行かなさ」が明確に示されてましたね。

逆に、現地のファンの熱望はとても肯定的に紹介されてる気がした。

 

リーダーは「ワールドツアーをやるなら、ただ思い出づくりにやるのではなく、興業として成功させたい」と彼らしいプロ意識の高い発言をしていたけど、hydeは「夢の実現」と、とても抽象的にリリカルなことを語っていて、でも結局ライブの良し悪し自体より、「MSGで日本人が初めて単独ライブをする」という事実に呑まれちゃった感じがしたなぁ。

この辺の話は映画以前からさんざんされてたけど。

MSG特番だったっけ?hydeが所在なさそうにマイクくるくる回してたの。今までにないような緊張感があったなぁ。

 

ただでさえそんな気負いのなか、日本と同じようにいかないことも多くあって、メンバーが舞台袖ですごく緊張してる感じとか、悔しそうな感じはラルクがあまり見せないような表情だったから、とてもドキドキした。

 

でも逆に、まだまだラルクがやることっていっぱいあるなって思って、表現がおかしいけどそういう意味でちょっと元気でた。

 

あとはヘアメイクさんのノリノリ具合が印象的だったなぁ!

ほんとにMSGのはいどちゃんは世界でいちばん綺麗にしてもらって良かったねぇって感じなんだけど、それを担当した世界的なヘアメイクの人が笑顔で《CHASE》口ずさんでいる様子になんかスゲーってなった

見学にきてたけんちゃん可愛かったなーけんちゃんといえば場面がNYに移ってすぐのコート着たけんちゃんこの映画通してベストオブカッコイイけんちゃんだった!

 

ライブ映像では《XXX》を使ってもらえて良かったなぁ。MSGの女優帽はなんかもう他の公演の女優帽とは次元が違う……

 

 

それで、MSGあたりから海外のファンの映し方が変わった。

なんていうかラルクのことを健康的に好きで、ラルクが自分の国やそこに近いところに来てくれる事を心の底から喜んでいて、それだけじゃなくラルクの音楽がとにかく好き・好きなだけじゃなくて誰かに広めたい・共有したいっていう、なんだか思いの綺麗なファンの人達が沢山

 

NYのラルクを応援するストリートチームとかなんだよって思ったけど、彼女らの言う「正しい情報を広める」「SNSを武器として認知度を上げる」みたいなこと、とても理にかなってるし、また彼女らをそこまでさせるものってなんなんだろう……って思った。

 

でも日本人でもないのに極東の小国のなんかロックバンドが好きとか、本当にそれだけの強くて真っ直ぐな思いがないとやっていけないだろうし、彼らにしたら同志に出会えたとしたらそれは奇跡に近い、とてつもなく幸運なことなんだろうなぁ……

 

 

イギリスは小さい会場だったって聞いてたけど、もともと日本の音楽が受け入れられ難いっていう土壌があったんだなぁ。さすが大英帝国様……

 

ファンの人達のコメントもなんていうかちょっと上から目線だったし。

「差別をしない」っていう言葉自体に、そもそも差別が存在していることの無意識の意識が含まれているなぁと感じる。

 

しかし今のラルクに小さなステージは似合わないなあ。リキッドとか特別な時はいいんだけど。REALIVEはカッコ良かったんだけどな……

 

あとはムンチャでhydeの虜になったっていうおばあさま!

あの人、どうしてムンチャを観る機会があったんだろうなぁ……ラルクを知るキッカケってほんとわからない。

それにそんなキッカケで年齢や国籍もぜんぜん違う人を虜にしてしまうような魅力があることにもまたビックリした!知ってるけど!けどどうしてムンチャで!?笑

 

よりによってライブ映像がRSGで、なんだかおばあさまの映った後の「Are you fuckin' ready?」でハラハラしてしまった……おばあさまはそういう訳わかってない日本人の軽率な発言も受け容れてるのかしら……それ以上に連れっぽいおじいさまはどう思っているのかしら……

 

 

フランスはイギリスとは打って変わって、昨今の日本人気の風潮もあるし、2度目のライブということもあってか、とても友好的な感じでしたね。

 

導入のhydeの「ボンジュール」が「オレンジジュース」と聞き間違えられたことに対する悪態と、車窓を流れる田園風景がとてもへっぽこ旅情感あってすき。BGMもとてもオシャレ

 

けんちゃんは近ごろ生え際の後退がちょっと気になるのでオタの心臓に悪いギャグとハプニングはやめてほしい。笑

 

お国柄なのかなんなのか、美しいコメントをする方たちが多かったですね……

「L'Arc~en~Cielの音楽は春の到来」、この表現は積極的にパクっていきたい

 

リチャードもフランスのライブがとても良かったと言っていて、メンバーもファンも楽しめていたならそれは良かったなぁと思うんだけど、なぜそこでピックアップした曲がレベレ師匠なんじゃ……

 

 

ジャカルタは公演当時から「なんでみんな合唱してるんだww」とか、感極まってる人たちの多さに、日本で現地の様子を見てる自分らもビックリしてたけど、やっぱりそこはライブを行ってる当人たちも感じているところだったんだなぁ。

 

文化の違いっていうのもあるんだろうけど、イスラム教徒の格好した女の人達が、ヒジャブの上からラルクのツアータオルを巻いて、《あなた》を熱唱しているさまは、絵的にとても衝撃を受けますよ……もちろんとても良い意味で。

 

海外公演唯一の野外公演っていうのも特別だった。

赤道直下のうだるような暑さと夜の野外と、少しイントネーションの違う《あなた》の合唱、ワールドツアーの映像の中でも特に印象的で、異国情緒あふれる場面だったな。ジャカルタは本当にライブ映像売ってください……

 

そこで、そういう感動的な場面に水を差すように挿入される、リーダーのシニカルでシビアなジャカルタ評と、プロモーションの足りなさについて。

 

「人口規模で考えたらまだまだ」みたいな話はリーダーなりのジョークだと思うけど、でもそうやってまた新しいファンを獲得していこうっていう野心があるのは嬉しいなぁ。

ラルクに次の目標ややりたいことを持って活動してもらうのが、いちばん応援したくなるから。

 

プロモーション不足については、リーダーの言うことがすごくよく分かるなぁという部分もとてもある。

けど国内にいて、MSGで日本人が初めての単独公演とか、国立競技場でロックバンドが初めてライブを行うってニュースは、かなり大きく取り上げられてたなぁと思う。

ラルクのライブってその規模の割に朝のニュースとかでそんなに取り上げられない印象だったから。

やっぱりそういう扱いのバンドであるところはあると思うし。

 

それがワールドツアーの期間中だけは、クールジャパンなんて流行語も後押しして、なんだか一部の人達が狂ってるだけのバンドじゃなく、"日本"をしょって立って海外に送り出されて、名実ともに日本を代表するバンドとして国立競技場に迎えられたかのような錯覚を覚えたな。

 

まぁ実際ファン以外の人たちがそこまで意識していたかは定かではないし、自分自身ラルクがライブしなきゃMSGとか国立競技場に思い入れなんてなかったと思うけど。

 

リーダーはそういう状況さえ、もっと良くしていきたいんだろうなぁ。

 

でもな~~~~~そうは言っても国内で普段よりはラルク後押しムードになっていたのに、結局ツアーが終わったら長いお休みに入っちゃうんだもんなぁ。

 

それではやっぱり、どんなにプロデュースしたところでダメだと思う。その辺もリーダーは理解している気がするけど……

 

ラルクを動かしたいけどどうにもならない」っていうのは本当に何なのかなぁ。

何がどうしてそうなっちゃうんだろうな。

今まで絶妙なバランス感覚でやってきたバンドだから、そうやって慎重に動かすことで大事にされてるものも勿論あるんだろうけど、やっぱり本人たちがひとつ「えいやっ」と気合入れて舵取りをしてほしいなぁ。という気持ち。

 

あとはラルクって元々広告にすごく凝ってきたじゃないですか、特に98~99年くらいって。バンド名の読み方だけでCM作ったり。

 

あぁいうのってラルオタじゃなくても今でも覚えてる人結構いると思うんだけど、如何せん"イロモノ"として認識されやすいよなぁ…みたいな……王道ではないというか。そういうラルクが好きでここまで来たんだけどね。

 

最近では《BUTTERFLY》のCMに木村カエラ起用とかあったけど、昔ほどのインパクトは受けなかったような……そもそも音楽のCMが流れる時間帯自体が少なくなっているのか。悲しい……

 

お金を使ってするプロモーション、お金を使わないで工夫して行うプロモーション、どっちも大事っていうリーダーの意見にはとても同意する。

コンテンツの氾濫した時代にファンを獲得していくには、そのアプローチの仕方・認知度の上げ方が一番大事だなって本当に最近よく思う。

 

ただ「言うは易し」なんだよね~~~これも。リーダーがスタッフになったところで具体的提案を出せるのか……

 

 

そして海外公演最後の韓国。これほんとに初見びっくりした……

 

まずhydeがアカペラで《叙情詩》を練習する光景。何度も繰り返してニュアンスを確認するさまがとてもひたむきで真摯で美しかった…hyde本当に歌上手くなったよなぁ。

周囲のことから完全に意識を分断して、自分の世界に入っているようだった。

かに見えた。

 

そのシーンに、とても良いシーンなのに、けんちゃんがスタッフに指示を出したりギターを練習する様子をなぜか不自然に挟んでくるな?と初見から思ってた。

 

そしたら、hydeがそれとなくけんちゃんの方をうかがって、

「けんちゃんきょうちょっとナーバスだから、そこはちゃんとやっといて」って……

 

なんかすごかった…

まずなんでそういう気持ちの機微を察せるの?それが20年という時間の成せるわざなの??って思ったし、けんちゃんの「そういう時」に対する指示をメンバー自身からスタッフにするっていうのも、やっぱりメンバーってスタッフとは一線を画した存在なのかなって思ったし、hydeがそういう時にする対応って自分が直接働きかけるとかじゃなく、スタッフにあらかじめキツく言っておくっていう、そういうバランスの取り方をしているんだなぁって、あーーなんて言えばいいんだろう、けんちゃんっていう少し考えや心の機微に独特のものを持ってそうな個人を、そうやってフォローしてるんだなって、なんかバンドの生き様を見た気がする……

イヤお前にけんちゃんとラルクの何がわかるんだよって感じだけど……

 

ラルクはもともと4人それぞれ個性がバラバラで、それが良いところだと思うし、組織の中でバランス調整って勿論必ずあると思うけど、こういうちょっと特殊な例を、その特徴的な一例として見せられると、ほんと、人間同士が相互に努力した結果今があるんだな、って感じる。

 

hydeの《叙情詩》練習シーンの妙な違和感って、これを匂わせるためのものだったのかなって思った。

 

それで実際にけんちゃんの、カメラに対する「ちょっとあっち行ってもらっていい?」って言い方のピリピリ感がほんとに怖かった……「覚悟しておいたほうがいい」ってこのことだったのかなって思うほど。

 

羽ふらしのくだりみたいなhydeの怒り方って、怒ってても諭すような感じでとても穏やかだし、てっちゃんの怒り方も(まぁピリピリはしてるけど)とても理性的なんだけど、けんちゃんのこの感覚的な神経質さってそれらとは異質に感じるなぁ……

 

そういうのがずっと続いてる時期もあったけど、今でもけんちゃんってそういう風になるんだなって、とても緊張したシーンだった。

 

なんかさーーーよくこれけんちゃん公開OK出したなぁと思うんだよなぁ。

話に内容を持たせることにとても抵抗を感じる人が、外に向かうナイーブさをさらけ出してる自分を見せてしまっていいんだなぁって。

そういう部分を知ってほしい、って気持ちもなくはないのかな。

 

監督はそれまでラルクのことを詳しく見てきた人じゃない、ということだけど、そういう人が見たけんちゃんが、こう写されるんだなぁ。

とんでもない伏線を仕込んできおって……ハァ~~~~~けんちゃんってホントに…ホントに……

 

韓国が海外公演最後だというのにライブ音源なしで、ライブ中のけんちゃんのなんとも言えない表情の映像のみってのも、またどう感じればいいんだろう。

ハァけんちゃんが心配でこっちがメンヘラになっちゃう

 

バンド内のバランスの取り方についての話で、hydeが「てっちゃんだけじゃなく俺もバランス取ることあるし、けんちゃんも実はバランス取ってるし、ゆっきーも取ってると思う」ってそれぞれ表現を変えていたのがhydeのメンバー観が見えて良かったな。笑

 

 

 

日産はなにがあったっけ…リーダーまじおこしか覚えてない……

でもまー仕事してたらまぁ怒るよなぁ普通にっていう。

それくらい真剣にやれってことなんだろうけど

別にリーダーはF1レーサーじゃなくない?とは思ったけど

 

仕事やってて、いい加減とか妥協されるとじゃあやる意味無いじゃん!ってなる気持ちは分かるなぁ。hydeもてっちゃんも完璧を求めてるんだね!って普通のことしか言えないけど

 

 

日産が途中で挟まるから分かりづらくなってるけど、USJ公演は韓国公演との対比でけんちゃんがとても楽しそうで良かったなぁ。

 

けんちゃんとゆっきーの仲の良さってとても穏やかで見てて安心する。

昔けんちゃんがゆっきーとの接し方がわかんないって言ってたけど、今はとても距離感をわきまえた大人の友達付き合いって感じで格好いいな。

 

焼きそば作って「部活みたいだったねー」っていうけんちゃんとか韓国の時のけんちゃんとは別人みたいだよ!笑

 

その後の自分の立ち位置に立って上むいてタバコつける絵がとても印象的だったな。

ほんとに監督はけんちゃんに何を思ってるんだろう……

 

 

「このメガネをつけると色弱じゃなくなるんですよ。」

ってぽろぽろと言うhydeにはなんかハッとさせられるものがあった。

普段は気にしないけど、元々絵の道を志したhydeがそういう眼で生まれてきてしまったっていうのを思い出すと、残酷な話だよなぁとしんみりする。

今は色弱矯正メガネなんてすごいものがあるんですね……!

 

「音楽に出会った時に問題はすべて解決されてしまった。音楽には色彩のチェックはないから。」っていう話、本当にhydeにとって音楽こそが武器であり、後でも出てくる"宿命"そのものだったって感じがする。

hydeが「赤」と歌えばそれは「赤」なんだよね。

 

でもなぁ…視覚的表現へのこだわりが人一倍強いhydeの様子が、この映画では詳しく描かれていたから、それでもやっぱり、割り切れないものってあるよなぁ。

 

この映画全体を通してhydeは、いろんなことに対する諦めと、それでも割り切れない思いを内包しながら、穏やかに自分のしてきたことを肯定する雰囲気があったと思う。

あとは人一倍ドラマというかストーリー性というか、夢を求めているなぁっていう感じ。

"宿命"と言うhydeも以前より肯定的に見えたけど、でも彼の思うままに、生きて欲しいなぁという気持ちが、なんか映画見て芽生えました。

 

 

 

そして国立競技場。同じことをやっても面白くないといって飛び出したのがなぜか顔Tという……

これにはメンバーも苦笑いって感じでステージ上でお互いに様子を伺うけんちゃんとhydeがなんとも笑える。

hyde顔Tを着てニヤニヤ笑うゆっきーの楽しそうさときたら!

 

国立のライブ映像と被せて流されるインタビューは全容をきちんと把握しきれていない……質問が明確じゃなく回答もブツ切りっていうのもあるけど。

 

 

海外進出に関して、海外に出たから国内で活動しなくなるわけじゃないっていうのと、ずっとこのまま同じことをしていてもつまらないっていう意見と両方あったけど、これはファンとしてもとても複雑だなぁ。

 

需要さえあればどんどん海外に出て行く積極的で上昇思考のラルクって、とても元気が出るけど(実際そんなにフットワーク軽くはいかないけど)、やっぱり国内で普通にシングル出してアルバム作ってアルバムツアーやって…って普通にバンド活動してくれるラルクにも、とても飢えてるんだよなぁ......

 

それと、hydeは"宿命"と言い、てっちゃんは"思いもよらないこと"って語ってたけど、ラルクアンシエルって、バンド自体の想定やその実態を超えて、ファンの気持ちが10倍にも100倍にも膨れ上がってしまって、それがまた他のファンやラルク関係ないこととも作用しあって、ラルクをバンドを超えた概念かなにかにしてしまったんじゃないかな……って思った。訳わかんないけど。

 

ただそういうことが、冒頭に投げかけられた「ラルクって何?」という問いに対する回答であったり、MSG公演あたりから描かれてたファンの純粋な熱い思いに対する結論みたいに感じたな。

 

冗談半分だけど、"Over The L'Arc~en~Ciel"って、バンドそのものの実態を超えてしまったファンの気持ち、それこそがOver The L'Arc~en~Cielなんじゃ……って考えてしまったよ……

 

でもそういうファンの嬉しそうな顔を見て、hydeが「間違ってなかった」って言ってくれたことがとても救いに感じたなぁ。

 

『DOCUMENTARY FILMS ~Trans ASIA via PARIS~』の時のドキュメンタリーのhydeは、自分の思うがままにはならないバンドの大きさに、ちょっと戸惑いを抱いてるようなニュアンスがあったけど、今回の映画のhydeって似たようなことを言ってても、とても肯定的に思えたんだよなぁ。

 

最近のhydeはよくファンを見て「みんなかわいい」っていうけど、もはやそういう、自分たちを見て聴いてこんなにも喜ぶ人たちを根拠として、"宿命"を肯定するような段階に入ってしまったんだな……と彼に対して手を合わせたくなる気持ちになった。

 

でも同じ人間に対して、自分を待ち望むファンのために人生を捧げることを宿命だと思わせるって、なんて人間は罪深いんだ…とも思ってしまった……いやこんなこと考えてる自分がいちばん業が深いと思うけどぉ~~……

 

 

 

ホノルルの映像が見られると思わなかったなぁ。

 

冒頭と同じ映像が流れて、ようやくその映像が何を意味してたか、てっちゃんの「嬉しい事も、悲しい事もあったけど、……なんかヘンだよね」って発言の意図がわかった。

 

てっちゃんの言葉には色んな意味が含まれているんだろうけど、その時に発言したものなら、意識にはそういうことがあっただろうし。

 

まともにやられてるてっちゃんの様子は普段の彼らしくなくて、とても驚くところがあったなぁ。

 

それから素っ気なく「なんでも録っておかなきゃ」と言ったhydeも、ステージでは泣き笑いを浮かべてて動きもぎこちなくて、なんかなぁ一生懸命笑おうとするのが見てて辛かった。

 

言葉に詰まるhydeの背中を押すようにバスドラムのペダルを踏むゆっきーと、hydeが喋ってる間は物思いに耽っているような顔をしながら、演奏は笑顔でやろうとするけんちゃんのふたりがフォローしているような雰囲気に救われたな。

 

《Bye Bye》という明るいメロディにちょっと物悲しい歌詞ののった曲をバックに、各国の嬉しそうなファンの笑顔が映る。

この何ともいえない滑稽さ、ミスマッチな感じが、良いことばかりではないけれど、ファンのよせる思いの強さによってとにかく肯定されるラルクっていう、この映画の流れを象徴していたなーと、今になって思う。

 

リーダーの「まったねー!」でタイトルが表示され、エンディングになる感じが、映画的でカッコ良かったなぁ。

 

 

エンディングのラストで、ホノルルでみんなで手をつないでお辞儀する映像が使われてましたね。

最近ツアーファイナルの定番になりつつあるけど、20年もやってきたバンドでパフォーマンスであったとしても、あぁいう姿が見られるのは嬉しいなぁ。

とても青臭くて、バンドしてる!って感じがする!

 

 

それにしても最後の楽屋でてっちゃんが扇風機を指さしてるのは何だったんだろう……しかもドアには「雅」って書いてあったよね? 最後の最後に謎を残していきよった……

今考えるとあのシーンは、冒頭でピリピリしたムードだったリーダーと社長との、リラックスしたシーンとして挿入されたのかな。

 

 

 

全体の総括というか、映画を見た自分のきもち。

 

初回の鑑賞のときには、「部分部分には良いシーンもあるけど、とっ散らかったドキュメンタリーだなぁ」と思ってたのが、一緒に見た人たちと感想を言い合ったり、何度か鑑賞を重ねるうちに、映画の全体の流れが見えてきて、どれもこれも意味あるシーンに思えてきたのが、なんか初めての経験だったなぁ……映画にしろ何にしろ、あんまり初見の感想が覆った経験がないので。

 

一緒に見てくれたり感想を言い合ったりしてくれる友人知人にマジ感謝、こういうことも映画で伝えたかったファン同士の起こす二次的作用なのだろうか。

他の映画とかでも、これだけ人と共有したり、理解することに腐心しながら繰り返し視聴すればこういう経験に至れるのかな。

最後には「L'Arc~en~Cielは『Over The L'Arc~en~Ciel』を経て文字通りいちバンドとしての存在を超えた概念になった」とか言い出したからね!!!!ウケる

 

 

あとは、自分がラルクのひとたちの、特にhydeの含みのある言葉を穏やかな気持ちで聞けるようになった。

 

これはもちろん話してるほうの雰囲気もあると思うけど、自分の受け取り方も成長してるよなぁと思う。

そういう、肯定的諦念みたいなのをこちらも肯定的に理解できるようになったというか。

 

それから、ラルクのL'7以降のライブってすべてが記念行事的で、その全てに意味づけや位置づけを見出そうとしてたりする、きっと自分だけではないと思うけど、そういう雰囲気もあると思う。

 

そういう雰囲気の中で、ラルクがただ活動してるってだけでとても尊く感じられるようになってしまって……とか。

 

ラルクってもう普通のバンド活動出来ないんだろうなぁ……

変な喩えだけど、富野由悠季がもう普通のガンダム作れないんだろうなぁっていうのに通じる気がする。

もう"富野由悠季ガンダム"って"ガンダム"以上の意味付けを期待されずには存在し得ないじゃん。そんな感じ。

 

そうやってひとつひとつのライブをとても大切にできることが嬉しい反面、やっぱり普通にバンドして欲しいなという気持ちもある。

 

そういう意味でも、ラルクって普通のバンドを超えてしまったんだなぁと思う。

 

 

 

ハァ~~~~~~~まさか今になってまたこんなにメンドくさくて長文マジレス捏造妄想ラルオタおばさんになってしまうなんて!

5年前の自分なら想像つかないな!

 

ともあれ私はこの映画からすごく肯定的諦観みたいなものを感じたし、hydeのいう"宿命"って言葉が強烈に印象に残ってるし、また「間違ってなかった」って言葉にとても救われた。

 

世間では色んな見方があるようですが具体的事象なんて瑣末なことだなぁと思えるくらい、すごいものを見せてもらったなぁと思ってます。

 

こんなに長文を書こうと思ったのも久しぶりです!

 

来週とはいかないが、次回もまた見てくれよな!