人間失脚

恥の多い生涯を送っています

『ロンドンゾンビ紀行』感想

何年も前に観た『ロンドンゾンビ紀行』の感想文が発掘されたので、推敲もせずそのまま載せます。
Twitterで「邦題が秀逸な作品」みたいなハッシュタグが回ってきて思い出しました。

 

 

 かなり前から気になってた映画、『ロンドンゾンビ紀行』観に行けましたーいやーこれは面白かった!
イギリスのミニシアター系の低予算ゾンビ映画みたいですが、各国に飛び火しついには日本に、それもわざわざお正月に!という謳い文句。
ちょうどロンドンオリンピックもあって、タイムリーだったのかも知れないです。
あとは邦題の妙もあるなぁ、原題の『COCKNEYS VS ZOMBIE』からこの邦題をつけたライターはすごいww

以下ネタバレ。

ふざけたタイトルから、奇を衒ったキワモノゾンビ映画かと思って観に行ったら、これが痛快ゾンビアクション。
というか、最近はゾンビも走ったり頭脳派だったりタダじゃ死ななかったりとどんどんパワーアップしていますが、この映画のゾンビは遅い・能無し・弱いと実にオールドファッション。安心してご覧戴けるゾンビパニックです!

なぜゾンビが大量発生したか・どうしたらこの自体を打開できるのかみたいな説明は一切ナシ!
とにかく大好きなおじいちゃんをゾンビ大量発生という未曾有の事態から救うため、おじいちゃんの暮らす老人ホームに向かう主人公のマグワイヤ兄弟とその仲間達、というのがこの映画のストーリーです。

まず物語は、おじいちゃんの暮らす老人ホームの閉鎖を阻止するため、主人公兄弟とその仲間たちが銀行強盗を企てるところからスタート。
主人公たち兄弟は、おバカだし頼りないけど、おじいちゃんや兄弟思いでとってもイイ奴ら。
役者のふたりのちょっと間の抜けた顔も味があります。

老人ホームと銀行をそれぞれゾンビが襲うのだが、元軍人でナチス相手にバリバリ戦ってたおじいちゃんが笑っちゃうくらい強い!いやゾンビ弱い!ww
中盤までは老人ホームのパートが最高に面白い。
おじいちゃんだけでなく、他の老人たちもそれぞれに戦ってみせて、それが楽しすぎる。
特に、歩行器のおじいちゃんとゾンビの超スローなチェイス@老人ホームの庭にはやられたwww

主人公パートは仲間たちのキャラがそれぞれ立ってるのが漫画みたいで良かった。
頭に鉄板の入ったイカレ野郎のミッキーが中ボス的に立ち塞がるのが良い。
童貞のまま死んだディビィとはなんだったのか……
錠前破りのいとこのケイティが強すぎてちょっとチート気味。笑

それから、ベビーカーのゾンビとか、ゾンビになっても仲がわるいフットボールチームとか、マヌケなゾンビに悔しいが笑わされたww
もっとこういうアホなゾンビばっかり出てくる映画だと思ってたんだよなぁ。
特にベビーカーを押したままゾンビになっちゃったママと赤ちゃんのアイディアは秀逸。
もっとこういうのあってもよかったかもww

ミッキーの倉庫から銃火器を調達し、ロンドンバスでゾンビたちを跳ね退けるシーンのワクワク感は異常。
真っ赤な二階建てバスが通りを曲がって疾走してきた場面は、「ロンドンゾンビ紀行キター!」って感じでテンション上がったww

そして老人ホームでの老人たちの救出劇。車椅子や歩行器、義足のおじいちゃんおばあちゃんたちがマシンガンやらショットガンやら持ち出してゾンビたちを蹴散らすのが最高にCool!!
車椅子に座ったままゾンビになって、ずっとドアでつかえてたおじいちゃんはちょっとかわいそうだったかな……

映画のクライマックス、船でロンドンから離れようとする一行を、ひとり陸に残って船の鎖を外すおじいちゃん……
誰もが「絶対生きてるだろうな……」と思ったその瞬間、やっぱり生きてたおじいちゃん!
四方を囲むゾンビをマシンガンで一掃おじいちゃん!
おじいちゃん強い!
おじいちゃんアツい!
さっき服引きちぎられてなかったっけ!?
まったくの無傷だぞ!!www
最後の最後にもうひと暴れ、マグワイヤ兄弟&いとこ&おじいちゃん!日本刀もあるぞ!
忘れた頃にやってきた、老人ホームを取り壊そうとしていた建築会社の男のゾンビに4人並んで鉛玉を撃ち込む!どうみてもオーバーキル!

そして一行は無事ロンドンを脱出。
「我がロンドンはどんな困難からも立ち直る!」とおじいちゃんの愛・ロンドン炸裂で終劇。


もちろんすっごいアクションがあるわけでもなく、なぜかOPがアメコミ風だったり、BGMが海外ドラマみたいだったり、場面転換が妙にチープだったりと、妙な感じのゾンビ映画ですが、なんかわからないけどスカッとする。
パワフルな老人たちと、頼りないけどイイ奴らな主人公たちが見てて気持ちいい。

あらゆるゾンビ映画への愛溢れるオマージュがちりばめられていたようだけど、あんまりわかんなかったので、もっとゾンビ映画勉強してもう一回観たいな。
くだらないけど面白い、ジワ売れで世界中で上映されたという理由もわかる、スマッシュヒットな作品でした。